BAR TIMES STORE アンバサダー長尾和明が行く！前衛的バーツールメーカー「BIRDY.」の工場へ潜入レポート

ハイクオリティなバーツールとサプライグッズで世界中を魅了する「BIRDY.」（横山興業株式会社）。その「BIRDY.」の製造工場へBAR TIMES STORE アンバサダーの長尾和明さん（Bar LIBRE／池袋）が訪れました。その様子を長尾さんご自身にレポートいただきました。

今回、私、長尾はバーテンダーとして、また、BAR TIMES STOREのアンバサダーとして、「BIRDY.」製品についての特別なセミナーの受講と工場見学をさせていただきました。

まず、招待していただいた横山興業株式会社の横山哲也さんに心より感謝いたします。本当に愛と情熱に満ちた時間を共有させていただき、ありがとうございました！

【BIRDY.のルーツを知る横山哲也氏によるセミナーを受講】

BIRDY.の工場は愛知県豊田市にあります。豊田市は、世界をリードするものづくりのプロと工場が集まる所です。

まずは座学にて、「BIRDY.」のブランドが生まれるまでのストーリーを、生みの親である横山哲也さんから聴かせていただきました。

「BIRDY.」の母体である横山興業は、自動車部品の加工会社。部品製作で培った研磨技術をまったく違う分野で活かそうと考えた横山さんの当時の様々なアイデアをうかがい、とても心躍りました。

その中でもたくさんの試行錯誤を経て出来上がったのが、「BIRDY.」というバーツールブランドだったのです。今では世界中にファンがいて、在庫ができれば即完売。中には2年待ちの商品もあるそうです！

なぜそんなに多くのファンを魅了するのか。驚きと納得の検証を私自身がさせていただきました。

【3段階のシェーカー研磨レベルで味わいの違いを検証】

私が体験させていただいたのは、シェーカー内部の研磨のレベルによって液体の口当たりにどれくらいの違いがあらわれるのかという検証です。

検証に使用したのは、研磨レベル10%、研磨レベル50%、そして完成品の3種類のシェーカーです。この3つを使ってそれぞれギムレットをつくってみました。

最初に言ってしまうと、これは驚きでした！

まずは研磨レベル10%のシェーカーでシェークしたところ、アルコールのインパクトは強いのですが、全体的に味にばらつきが感じられました。研磨レベル50%の場合も10%ほどではないにしても今ひとつな感じです。

しかし、完成品で同じようにシェークしてみると…言葉を失いました。全く違うのです。口当たりはシルクのようにまろやかで、味にはまとまりがあり、すっと喉を通ります。これほどまでに違うのかと、本当に感激してしまいました。

バーの業界ではもう十分に行き渡っているカクテルシェーカーを、会社をあげて売り出すなんて大丈夫なのか？そこまでの価値があるのか？と社内会議もあったようですが、研磨によって起こるあまりの味の変化に “これは商品化しないといけない！”となったそうです。その時の皆さんの驚きは、今日こうして検証してみて私も実感しました。

【一度は見てみたかったBIRDY.の工場にいざ潜入！】

座学、実技を経て次はいよいよ工場内に潜入！！

数名の職人さんがシェーカーを研磨しているところを見学させていただきました！

職人の皆さんが闘っているのは0.1ミクロンの世界。実際に職人さんと話す機会もあり、研磨に対するこだわりや、難しさを知りました。

職人さんは皆さん女性で、子育てをしながら仕事をされているそうです。私が気になった方は腕に数字のタトゥーで入れている若いスタッフさん。その数字の意味を聞くと、お子さんの誕生日なのだとか。作業中常に見えるようにとの答えに、お子さんへの愛情とプライドを持って日々シェーカーを磨いてるんだなぁって。その姿にグッときてしまいました。

0.1ミクロンの世界に情熱を注ぎ、細かいところまで気を使っているところを垣間見ると感謝とワクワクの感情が同時に湧いてきて、早く店に出てカクテルをつくりたくなりましたね。

そして、より多くの方にこの素晴らしい『チーム BIRDY.』の情熱と技術を伝えたいと感じました。

一杯に情熱を込めるバーテンダーにとって、シェーカーは寿司職人が扱う包丁のようなものです。道具にこだわる職人が多いバーテンダーの世界。「BIRDY.」が世界中で売れるのも納得です。